ツアーナースとは
イベントナースと似ていて混同されやすいのがツアーナースです。ツアーナースとは、企業や団体の旅行に付き添い、参加者に病気や怪我があった際に対応する看護師のことですね。イベントナースと違う点としてまず挙げられるのが、ツアーナースは移動が多いことです。イベントナースは基本的に救護室から移動することはありません。しかし、ツアーナースは参加者が移動する度に一緒に移動します。そのため、飛行機やバスが苦手な人にはちょっと向いていませんね。
イベントナースとは何が違う?
ツアーナースは宿泊が伴い、同じ場所には滞在しません。そのため、事前にツアー内容を確認した上で、どこでどんなことが起こり得るかをシミュレーションしておかなければなりませんよ。主催者から直接話を伺うこともありますが、最近はオンラインで打ち合わせをするケースも増えているようですね。
また、不特定多数の人が集まる場所で働くイベントナースとは異なり、事前にどんな人が参加するのかを知ることができます。例えば、修学旅行であれば普段から体調を崩しやすい生徒の情報を知ることができるので、事前対策が可能ですね。高齢者が参加するツアーなら、定期的にバイタルチェックの時間を設けるなどの提案も必要になってきますよ。
参加者の食事管理や服薬管理を行う点も、イベントナースとは違いますね。食物アレルギーのある参加者がいる場合は、配膳時に食事内容をチェックしなければなりません。事前にチェックしていても、「調理器具が同じで成分が混入してしまった」というケースも考えられます。その場合は、アナフィラキシーショックへの対応が必要になりますよ。なお、アナフィラキシーショックが起きた場合には、厚生労働省による救急蘇生法の指針に沿って対応していきます。
このように、ツアーナースの業務は多岐に渡ります。ツアー内容の確認や健康状態のチェック、参加者の食事管理、服薬管理だけでなく、それ以外の業務もあります。例えば、バス移動の際にエチケット袋を用意したり、修学旅行の生徒たちに健康カードを記入してもらったりといった業務ですね。雇用先に提出する日報を記入することも大切な業務の1つです。
給料も違う
イベントナースとツアーナースは給料も違います。イベントナースは1日1万円前後ですが、ツアーナースは事前準備が多く業務内容も多岐に渡るので給料は高めです。日当にして2~3万円が相場ですね。長期のツアーを担当する場合は、月給換算でも結構な金額を稼げますよ。